「コミュニティ発想」とは何か
私たちの、新しいクリエイティビティ
日宣は、「コミュニティ発想」という言葉を、自分たちのフィロソフィーとして、また、あらゆるクリエイティビティの起点として、標榜しています。
「コミュニティ発想」とは、多様化する社会を生きる生活者の、集団の“ふるまい”に根差す共通の価値観を発見・発明・創造することであり、私たち日宣のクリエイティビティの根源です。
私たちは、コミュニティを、地域や社会のエコシステムにとって、そしてこれからの企業のマーケティングにとっても必要な、新しい「動力源」だと考えています。「コミュニティ」とは、共通の思いやニーズ、目的、価値観、文化、地域性などでつながっている、人と人との小さなつながり。そこには、個人という単位では絶対に出せない力が顕在、または潜在しています。
- 「動力」 なにかを動かす力、引き起こす力、行動・実行する力
- 「求心力」さまざまな存在を巻き込む力(拠点になれる)、引き寄せる力
- 「拡散力」情報を発信する力、広げる力、伝える力
- 「影響力」まわりに影響や作用を起こす力、信頼や信用を生み出す力
- 「集積力」知恵やノウハウ・経験を蓄積し伝達する力
- 「共創力」共になにかを生み出す力、協力しあえる力、パートナーとなれる力
こうしたコミュニティがもつ力を、地域、社会、マーケティングなどにおいて発動し解放することで、新しい価値を生み出していくことができる。新しいエコシステムをつくり、動かすことができる。私たちはそう考えます。
では、この、コミュニティの力を発動させるためには、どうすればよいのか。
個人や世帯は、それぞれは異なる存在です。個々の人・世帯が、同志性や地域性を伴った共同体・集団として同じ方向に向かう時には、集団として動くに至る隠れた共通心理や共通価値観… すなわち「インサイト」が不可欠です。
この、コミュニティが動くためのインサイトを、発見するだけでなく、発明・創造すること。そして、その上で、コミュニティがもつ力を動力として活用できる仕組みやアイデアを発明・創造すること。それが、私たちが掲げる「コミュニティ発想」です。
集団であることと、コミュニティであること、は違います。企業やブランドがつながっている個々の顧客の集合体は、そのままでは、コミュニティという状態ではありません。ただ同じ場所に暮らしているからといって、その集合体は、コミュニティではありません。そこにある共通の心理や価値観を生み出すことで、初めて、その集団はコミュニティとなります。
例えば、同じ地域に暮らしながら、その土地に根差す知恵や文化、もしくは課題やリスクを共有している集団は、コミュニティとしてのポテンシャルを持っています。こうしたコミュニティを起点にしたり、巻き込むことで、新しい発想の地域の課題解決サービスを生み出すことが可能になります。
例えば、あるブランドを使うことが、「サステナブル」という価値観への賛同やその自己表明になっている… そんなブランドがあるとしたら、そのユーザー群には、コミュニティとしてのポテンシャルがあるかもしれません。こうしたコミュニティを顕在化できたら、ブランドとコミュニティは、サステナブルな世の中の実現という共通テーマに向かって、共創することができるようになります。クラウドファンディングを実現したり、ユーザーコミュニティを運営体としたアクションを創造することが可能になるかもしれません。
例えば、今の世の中に共鳴するであろうコンセプトのメディアを発明し、メディアをもとにその価値観への共感者を顕在化し、読者をコミュニティとして巻き込んでいく… これもひとつの、「コミュニティ発想」であり、そこから生まれるクリエイティビティです。
その集団に共通する心理や価値観を「創り出す」「生み出す」。コミュニティとしての動力を起動し、活かすためには、そうしたクリエイティビティが必要です。私たちは、そのクリエイティビティをもとに、生活者、クライアント、パートナー会社、地域など、さまざまなステークホルダーと価値を共創していく存在でありたいと思っています。